韓国ドラマ「ゴー・バック夫婦」 俯瞰する事で見える大切なもの

俺が無料で韓国ドラマを観させてもらっているサイトはGyao。
この「ゴー・バック夫婦」が最初に配信された時に、
「ミセス・コップ」でやさぐれた刑事を演じていたソ・ホジュンが、
果たしてラブコメでどんな演技をするのか興味があり見始めた。

でも俺が当時少し苦手としていたチャン・ナラと、
1話目の妙にドタバタな感じや、
38歳同士の夫婦が唐突に20年前にタイムスリップすると言うストーリーに耐えられず、
2話目から観るのを放棄したのだった。

ところが、仕事上どうしても観なければいけなくなり、
12話完結と言う短さもあったので、仕方なく観る事にしたら…

単なるドタバタラブコメとか、タイムスリップしてやり直すとか、
そんな単純な内容じゃなく、なかなかに深みのあるドラマだったのだ( ̄∇ ̄)v


画像:KBS公式サイトより

ザッと話の筋を書くと…
大学時代に知り合った男女が、やがて愛し合うようになり結婚。
二人は互いが望んだように平凡な家庭を築いたが、
営業職の夫は仕事に追われ、顧客に振り回されて家庭を顧みる時間が無くなり、
妻は育児に追われて自分を見失う日々。

そんな時に夫が仕事上でした事を浮気だと誤解した妻。
お得意先の使いっパシリのような事ばかりしている自分に嫌気がさしていた夫。
二人の感情がぶつかり合って、ついに離婚。
その二人がある日目覚めると、20年前に戻っていて…

18歳に戻った二人なんだけど、昨日の38歳まで生きた自分の記憶があるわけよ。
だからものの見え方が18歳の時の自分とは違うんだよね。
単に、将来離婚する相手とは結婚しない様にしようとか、
そういう単純な生き直しに向かわないのは、38年間の人生経験を持つ人間ならでは。

日々新しい経験を積み、そこから学び成長するのが人間。
経験が浅く物事をよく理解していないはずなのに、ある程度経験を積んだ親から何かを言われても、
若者はそんな助言に耳を貸そうとしないどころか、親を邪険に扱ったりもする。

既に一度結婚して子供もいる二人には、
自分で稼いで生きる事の大変さ、子を育てる事の責任感、
それらを通しての親への感謝の気持ちが身に染みている。

そんな二人が自分や周りの若者の生き方を見つめ直した時、
その浅はかさや、如何に無駄に時間を使っていたかや、
やり残してしまった事、雑に扱ってしまった物や事に気付き、
本格的な生き直しが始まった。

自分の中身は38歳だから、自分が大学1年生なのに4年生が若造に見えて仕方がない。
おっさんやおばさんの口調でつい説教しちゃうんだよね。
そうしていながら、同時に自分がその時代に適当に生きてきたことを反省しているんだわ。

妻は、自分が28歳の時に腎臓病で亡くなった母に再会できて心の底から喜ぶ。
喜ぶだけじゃなく、一緒に居られる時間を大切にしようとする。
事情を知らない母からは単純に気持ち悪がられるのだが…(^^;

自分自身が子を産んで、自分を産んでくれた母の偉大さを知った彼女は、
労っても労い尽くせない気持ちを母に捧げる。

画像:KBS公式サイトより
人生経験を積んで38歳になったはずの夫婦だったけど、日々の暮らしに追われて学ぶことを忘れ、
互いが互いに期待するばっかりで、相手を理解しようとする余裕もない。
パートナーならば、腹を割って話し合い、悲しみや苦しみを共有すれば解決も早いのに、
それもせずに、「分かってくれない」と恨みばかりを募らせてしまう。

そんな38歳の自分が、20年前に戻る事で自分の生き方を俯瞰して観る事が出来た。
俯瞰する事で、親子関係だけでなく、人間関係の本質、
つまり上辺だけでなく、本当の意味での人間同士のつながりの大切さや、
自分の気持ちは相手に言わなければ伝わらない事、
自分の気持ちに正直に生きる事の素晴らしさに気付けた二人。

これはどうやらタイムスリップしたというよりも、
心の底では実は親子三人で仲良く暮らしたい、
自分に正直になって生きたいと言う強い思いを持っていた二人が、
長~い夢を見ていたんじゃなかろうか。

1話が1時間で、全12話と言う短いシリーズたったけれども、
内容的にはとても深くて、脚本の良さが光る秀作だったと思う。
俳優陣も皆さん素晴らしくて、ドラマを観ていると言うより、
あの人たちの生活をのぞき見させてもらったと言う感じ。

脚本、演出、俳優陣の演技、全てを通して、韓国ドラマの力を感じた作品だった\(^o^)/

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