鶴沼ダウンバースト!!

2000年7月25日~26日・鶴沼公園キャンプ場

週末キャンプが恒例となっていた我が家だが、
今回は夏休みを利用しての4泊
5日と言う、初めての長期旅行。
キャンプ場で2泊、温泉旅館で2泊を交互に織りまぜ、
小樽から美瑛、富良野、日高を廻り支笏湖、虎杖浜温泉への楽しい旅。
…のはずだった( ̄∇ ̄)v

子供達の夏休み期間中なので混雑を予想し、旅館には大分前から当然予約を入れておく。
予約を入れたからには、たとえ雨降りでもその日に行かなければならない。
でもって旅館に泊まるだけなら別に天候なんかたいして気にしないのだが、
今回の場合その前後の日がキャンプになるので天候は大いに気になる。
長期予報なんて単なる気休めだし、旅館はもう予約しちゃったし・・・

そうだ!!
バンガローを借りて、直前の予報を見てその日が晴れそうだったらキャンセルして、テント泊にしよう♪
幸いキャンプ場の方もキャンセルは1日前まででもOKと言ってくれたので、
初日の鶴沼と3日目のオコタン野営場に予約を入れ、あとは出発の日を待つだけとなった。

初ロングドライヴへGO!!
25日午前8時出発。天気曇り。

まずは小樽を目指す。
途中雨が降り出すも稲穂峠のあたりから空が明るくなりだし、
小樽に着く頃は晴天となっていた。


息子にとっては初めての、
俺自身は中学生の修学旅行以来の小樽水族館見物。

イルカやアザラシのショーを満喫し午後2時前に鶴沼公園に向け出発。
鶴沼公園は、札幌から直線距離で60キロ程北に位置する浦臼町にある。
小樽からは道路地図上では120キロの道のり。
2時間程度で着くだろうと思っていたが、
我が家の旅がそうすんなり行く訳が無い( ̄皿 ̄)

なにしろこの辺りの道は初めて走る道である。
ナビ役の俺は道路標識と道路地図を交互に見ながら「ここ右折」とか
「だいたい3キロくらい先に左折する道が出てくるぞ」などと道案内しているつもりでも、
地図を見ているうちに標識を見落としたり、
「これだ!!」と思って入った道が、乗るつもりのない高速の入口へ続く道だったり…

嫌な予感の空模様
うだうだ走っている間にとうとう雨が降り出してきた。
鶴沼まで一直線の国道275号に乗った頃には豪雨となったが、
月形で給油をしている時には雨も上がり、
「別に大雨が降ったってツリーハウス借りてるもんね~♪」と、脳天気である。


鶴沼到着は、辺りが薄暗くなってきた午後6時前。
キャンプ場の管理人さんが「そろそろ家に帰りて~な~」と愚痴り出したと思われる頃だ。

サイトの地面には雨水が溜まっていたが、
もう雨も降らないだろうと、水たまりをかわしタープを設営。
炭を熾し、コンロに鍋を置き、夕餉の仕度を始めた頃再び雨が降り出した。

天候激変!! 初体験のダウンバースト!!
屋外でこんな大嵐に遭遇したのは生まれて初めてだった。
最初タープにパラパラとあたっていた雨がやがて大粒と成り、
すぐ近くで超大音量で雷も鳴りだした。

北国の夏は、上空で暖気と寒気が出会う事がままある。
その出会いが雷や竜巻きを発生させると、テレビの自然災害特集でやっていたのを思い出す。
「まさかここで竜巻きは起きねぇだろう」

確かに竜巻きは起きなかった。
しかし雨と雷はますます猛り狂い、おまけに地を這うようなに猛烈な風が吹き出した。
地面を見ると打ち付ける雨がしぶきとなってはじけ、地上20センチ位まで霞がかかったようになっている。
こりゃあダウンバーストでないかい?!!
張ったばかりのタープは、調理中の俺の頭に強風でベターッと張り付き、
椅子がころがり、あまりの風にコンロの火も消えてしまった。

「だめだなこりゃ。ツリーハウスに避難するベ!!」
俺は赤々と燃える炭の入ったグリルを水たまりに逆さに伏せ火を消し、
最早全身ずぶ濡れの妻は吹っ飛びそうなタープの支柱を全身を使って押さえこんでいたが、
次の瞬間!!
飛んだ…(@^^)/~~~

支柱に下げていたランタンがバラバラになり、
タープの布は数十メートル先で何かに引っかかり、土手の向こうの畑に向かって踊っている。
俺も妻も完全に濡れネズミ状態。
おまけに暴風雨と雷の音でお互いの声が全く聞き取れず、
段取り良く協力してかたずけることもできない。

もうこうなったらきちんとなんてかたずけていられない。
ゴミ捨て用に持ってきたポリ袋に食材、食器、ランタン・・・なんでもかかんでも詰め込み、
テーブルも椅子も車に放り込み、びしょ濡れのタープも丸めてトランクにに押し込み、
俺と妻は息子の待つツリーハウスへ逃げ込んだ。

予定崩壊で完全脱力
旅行初日からこの有り様。
冷えきって憔悴した体と、予定が狂った気分の悪さですっかりやる気が失せたアスペの俺は、
「飯はどっかに食いに行くベ!!」と言ったが、我が伴りょは気丈だった。
「いや~、せっかく用意した食材もったいないっしょ。私作るから♪」

えぇーーー、作るって言ったってツリーハウスの中では煮炊き出来ないよなんて口を挟む隙も与えず、
下ごしらえしてきたイカ飯を鍋に突っ込み、
フライパンで肉を焼き、
スープを煮込み夕食が出来上がった。

いやいや、この母さん大したもんだわ。
一生着いて行きますと涙ぐみながらイカ飯を頬張っていたら、上には上が居るもの。
遠くに一張りだけ設営してあったテントの中から子供のはしゃぐ声が聞こえてきた。
そうだ。あの一家はさっきの大嵐の最中もテントにとどまり、歌まで歌っていたのだった。
恐れ入れリましたm(_ _)m

前日のあの豪雨が嘘の様な翌朝の風景

ともあれ嵐の幕開けとなった今回の旅行も、残りの日程は平穏にこなす事が出来、
終わり良ければすべて良しと言う事に相成ったのである。

ほんで、観光地は嫌いだけど、一回位は行ってみようと、
富良野のラベンダー畑にも行ってみたのであった( ̄皿 ̄)

おしまい。

【鶴沼公園キャンプ場最新情報】
https://www.town.urausu.hokkaido.jp/kankou/guide/tsurunuma.html

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメントの入力は終了しました。