函館で生まれ育って、今63歳の俺の年だと、
函館ラーメンと言えば、王さん、汪さん、鳳来軒、来々軒、紅蘭、寿楽…。
函館ラーメンは、出汁こそ昆布、煮干し、鰹節、はたまた鶏ガラ、
色々あるけど、味付けの基本は塩。
函館のラーメンと言えば、澄んだ薄い黄色のスープの塩ラーメン。
https://digital.hakoshin.jp/hakoraku/oldshop/70491
出前を頼むときに「ラーメン」と言えば塩味。
それが函館のラーメン屋だった。
中3の頃にチェーン店の「札幌ラーメン満龍」が、
五稜郭のガチャ万(パチンコ屋)の隣に出来て、
そこで初めて札幌味噌ラーメンを食ったんだと思う。
満龍で衝撃を食らったラーメン好きのSという友達が、
「丸井今井の地下にも、美味い味噌ラーメンを食わす店があるらしい」
なんて言ってきたもんだから、
S君と受験勉強して一緒に飯も食うから小遣いちょーだいって、
お袋に300円もらって、勉強そっちのけで食いに行った。
行ったら、地下食品街の角にある、カウンターだけのラーメン店。
札幌味噌ラーメンを頼んだ。
中華鍋で挽肉と野菜を炒める。フライパンを煽る。格好いい。
丼を並べた。
そしたらさぁ、そこに等分に各種粉を入れ始めたんだよね。
手慣れている様で手つきはいい。
ササッ、ササッ、と粉が入る。
おいっ、これってハイミーじゃねぇのか?ってのも
で、出て来た味噌ラーメンは、中学生にはよく分からんけど、
なんとなく前に満龍で食った様な味噌ラーメンだった。
今にして思えば、その店は札幌味噌ラーメンを無理して作ってたのかね。
そのラーメン店は、何年か後に無くなった。
さて、話がそれたが、
超あっさりの函館ラーメンの対極にある、
炒めた挽肉ともやしに、ニンニクと生姜が加わった濃厚な味に衝撃を受けた俺。
満龍は当時から「あと足し」のスーぷでしょっぱみの調整もしてたなぁ。
「しょっぱかったら言ってくださいね~」ってね。
考えてみりゃ、50年近く前なのにサービスが行き届いてたな。
で、ゼロか100かの俺には、
超あっさりの函館塩と、濃厚な札幌味噌が合ってたんだろうね。
20年ほど前に道北に引っ越して、旭川が本場の醬油に出会って、
俺の印象として、その中途半端さに参った記憶がある。
店名は書かないよ。
以来、所謂「旭川ラーメン」は食っていない。
それから何年も経って、時々生まれ育った函館に行くと、
いゃ~、本当は昔行ってたとこに行きたいんだけどさ、
もうどの店も無くなってしまったからね~。
老舗として存在してても、商売として成り立たないと踏んで、
店主さんが自分の子に跡を継がせなかったんだろうね。
そうなると俺としては、最近できた店じゃなくて、
俺のかなり年上の兄姉くらいの年齢の人がやってる店をネットで探して、
昔の感じを残している様なところに行ってる。
福島原発事故以来の食材の産地の問題もあるので、それも考えてだから、
当然利用できるお店は限られる。
で、最終的にどんなラーメンが安心で一番美味いのかなぁと考えると、
それは自分で材料を選んで、自分で納得のいく調理をした、
俺が作ったラーメンとということになるのであった\(^o^)/
いやいや、すみませんね~ 😀