「正義は勝つ」と言う言葉があるけれど、
「正義」なんてものは、権力を持った誰かさんの都合で変わってしまうものだ。
言葉としては、俺は「真実は一つ」の方が好きだな。
その真実が自分や誰かにとって正義かどうかは別としてさ、
世の中の様々な出来事に於いて、真実ってそれぞれ一つしかないもんね。
そして自分にとって都合の悪い真実を隠したり誤魔化したりするために人は嘘をつく。
富や権力を手にしたいという、人間として浅ましい夢を持っている連中は、
夢の実現の為なら、邪魔になるものは排除する。
他人を陥れる。
時には…殺す。
しかしそれが表沙汰になっては夢がかなわないので、嘘を重ねる。
人は嘘を一度重ねた時点で、おそらくもう引き返さない。
しかしそういうヤツらがいくら嘘を重ねても、それは嘘でしかない。
嘘の裏っかわにある真実は一つだ。
その真実を追求する事を天職にした三人の刑事が、
時を超えて協力し、未解決事件を解決に導きながら、
最後には過去から現在に繋がる警察、政界に巣食う悪をあぶり出していく物語が「シグナル」だ。
過去と現代を結びつけるものは、
過去の刑事イ・ジェハン(チョ・ジヌン)が愛用していたトランシーバー。
画像:BS11より
ジェハンが失踪後もトランシーバーは残り、それを15年後に手にするのが、
過去にジェハンが関わっていた重要事案の関係者で、
今は長期未解決事件チームのプロファイラーであるパク・ヘヨン(イ・ジェフン)。
画像:BS11より
二人は実は過去にこのストーリーの最大のテーマである事件に絡んで出会っているのだが、
それには気付かないまま、過去と15年後の今とをつなぐトランシーバーを通じて協力し合う。
そして、過去と未来を結び付けるものがもう一つ。
それは15年前にはイ・ジェハンを慕う部下であり、失踪した彼を探しながら、
今は長期未解決事件チームのチーム長として真実を追う女性刑事チャ・スヒョン(キム・ヘス)だ。
画像:BS11より
ジェハンとヘヨンの時空を超えたやりとりを知らぬまま事件解決に突き進むスヒョンだが、
彼女には15年の間積み重ねた経験と、膨大な生きたデータがあった。
いや~、もうとにかく展開が凄いね。
伏線も凄く多いから、かなり集中して観ていないと後で分からなくなる部分もあるかも。
俺はこのドラマが好きすぎてDVDを買ってしまって、何度も観た。
で、その度に、あぁ~、こんな前ふりがあったのかよ!!って気付かされる様な緻密な脚本。
そこんとこは抜きにして、主要な流れだけを追っていても、
物凄く練られた話だなぁと感動するし、何よりテーマがとても民主的だ。
日本で、ここまで政界や警察組織の汚い部分を書ける作家はいるか?
書けたとしても、ゴールデンタイムのドラマにできる気骨のあるテレビ局なんかねぇだろ。
法人税を値引きしてもらって首根っこを押さえられてるから政権の言いなり。
身分差別制度の根源である天皇制に異議を唱える事も無く、陛下と呼んで慕う馬鹿共だ。
こんな凄味のあるドラマなんか作れるわけがねぇわな。
作れないから、日本ではカバーでやってたけど、学芸会役者揃いのドラマなんか見る価値無しだ。
Gyaoでまた無料配信があるかもしれないから、絶対見てほしいなぁ。
懐具合に余裕のある人は、レンタルしたりDVD買って観ても絶対に損はないドラマだよ( ̄∇ ̄)v