ビートルズ病に罹患していた中二の冬休み。
街の映画館にビートルズの映画が三本立て500円でやって来た、ヤァヤァヤァ!!
初日は昼から出かけて1回ずつ、
翌日は朝から映画館に行って、夜閉館になるまでぶっ通しで2回ずつ観た。
昔からアホだったねぇ( ̄∇ ̄)v
そのアホな中学生が”Let It Be”を観ていて気になった台詞がある。
曲はジョージの”For You Blue”。
ジョンがハワイアンスチールギターでスライドギターを弾いている場面で、
ジョージが言う「エルモア・ジェイムスもこれにはかなわないよ、ベイビー」だ。
エルモア・ジェイムスって誰だべ?
そうは思ったが、その頃はビートルズ一辺倒だったので、
その名前については調べようともせずに放置。
「エルモア・ジェイムス」という名だけが脳に書き込まれた。
ビートルズの影響でギターを始めていた俺の興味は、
やがてロックやブルースへと向いて行った。
そしたらフリートウッドマックのギタリストの一人であるジェレミー・スペンサーは、
エルモア・ジェイムスの影響を受けたスライドギターを弾いている、とか、
オールマンブラザースがライヴで「次の曲はエルモア・ジェイムスの…」とか、
俺の記憶にある名前を聞くようになる。
他にもヤードバーズの”The Nazz a Blues”でのジェフ・ベックのギターの出だしや、
クラプトンがアドリブの中にエルモア・ジェイムスのフレーズを使っている等々、
やたらとエルモア・ジェイムスの名を目に、耳にするようになって、
こんなにいろんな人に影響を与えているこの人は一体どんなギタリストなんだろうと、
大いなる疑問が湧いてきた、、、ものの、音楽関係では他に気になる事が多かったので、
アホな俺はエルモア・ジェイムスをまたも放置 ( ̄皿 ̄)
そしてついにエルモア・ジェイムスを聞く時が来た。
いや、正確に言うと、もうラジオやなんかでは聞いたりしてたんだろうね、多分。
でも自分で音源を手にして聞くのはそれが初めてのことだった。
それは「またも放置」してから20年程立った頃。
“Blues Deluxe”と言う10枚組CDを手にした時だった。
彼の代表作ともいえる”Dust My Broom”を聞く。
あぁ、これぞ正しくジェレミー・スペンサーやベック、クラプトンがやっていたヤツ。
一度聴いたら忘れられないオープンチューニングDの3連の出だし。
大勢のギタリストが影響を受けたのもうなずける。
それに続く若干怒り気味の歌もまた強烈だ。
ところでこの”Dust My Broom”って曲は、実はエルモアの曲ではない。
特徴的なオープンチューニングメジャーコードの3連と共に、
その元祖はこれまた数々の音楽家に影響を与えたブルースマン、ロバート・ジョンソン。
しかしエルモアは他の曲でも出だしの3連を「またかよ!!」と言うくらい使っている。
自分の名刺代わりにしてしまったのである。
よっぽど気に入っていたのだろう。
ついでに”Dust My Broom”の意味だが、
「箒の埃をはらう」なんて訳されていたけれども、そういう意味ではない。
正しくは、「家を出ていく」。
一緒に暮らしてた彼女に浮気されたから、俺はこの部屋を出ていくぜと、
激しく歌い、弾いている訳ですな、エルモア・ジェイムスは。
なんてぇことをウダウダと、
エルモア・ジェイムスの106回目の誕生日に書いてみた (*´罒`*)