俺が中二の冬にギターを始めるようになったきっかけはビートルズ。
…と言う事はもう何度か書いたね。しつこくてすみません。
で、練習し出したら、ジャカジャカとコードを弾くだけじゃ満足できず、
やっぱり間奏で格好良くソロをとりたくなるもの。
ギター少年だった人なら分かってくれるよね ( ̄皿 ̄)
ビートルズのリードギタリストはジョージ・ハリスン。
手始めにお気に入りの”Roll Over Beethoven””Day Tripper”の前奏、間奏とか、
“Nowhere Man”の和音混じりの間奏なんかをコピーした記憶がある。
こういうのをスラスラ弾けるようにならなくちゃな、と必死で練習したもんだ。
ところが、だ。
学校では他の組にもエレキを弾いてるヤツがいた。A組のS原君。
S原君はジョージ・ハリスンなんか下手だからコピーするなと言う。
彼はリッチー・ブラックモアの熱狂的なファンで、
「これこそがアドリブだよ」と、インチキ臭いコピーを演奏して見せた。
まぁ、確かにジョージのソロはハードロックのギタリストみたいに
ギンギラギンの派手な音質じゃないし、速弾きするわけでもない。
でも、”While My Guitar Gently Weeps”のソロはどうだ?
流れる様に美しいじゃないか? 凄いじゃないか。
…えっ? あれはクラプトンが弾いてるの?
いやいや、じゃあ”Taxman”のシタール風のソロは?
他のギタリストはあんな感じでは弾けないでしょう。
…何ぃ~?!! あのソロはポールが弾いてるってか?!!
なんていう悲しい事実を知ったりするうちに、
ジョージってやっぱり大したことないのかなぁと思うようになり…。
そうこうするうちに俺も少しずつ上手くなって、
もっと上達したくなってクラプトンその他のギタリストをコピーし始めて、
音楽のの好みもブルース・ロックから本物のブルース。
そしてジャズへと遷って行った。
その間は上手くて好みに合うギタリストを求めて色々聞きまくり、
沢山の才能あふれるギタリストたちに出会った。
そんなある時、ふとアルバムの方の”Let It Be”が聞きたくなった。
久しぶりにジョージのソロが聞きたくなったんだな。
そしたら上手いんだなぁ、これが ( ̄皿 ̄)
技術的に上手いと言うのではなく、音楽的に優れた構成なんだよね。
中学の時にコピーして歌える様にはなっていた旋律だが、
これを「他人の真似」では無く即興で演奏できると言うのは凄い事なのだ。
これはどうやら演奏中の即興ではなく、
ソロ部分だけを練って、何度か録音したものの一つだと後に知ったが、
ジックリ練ったにしてもああいうギターソロの旋律は、凡人には生み出せない。
アビーロードの中の”Something”のソロにしても、音楽的に素晴らしい出来だし、
何よりあの曲自体が秀逸じゃないか。
そうなのだ。
ジョージはバカテクのギタリストではないが、
非凡な才能を持った音楽家なのだ ( ̄∇ ̄)v
彼が1962年から1970年までのビートルズ時代に、
あのレノン・マッカートニーを向こうに回して作った個性溢れる22の楽曲。
中学時代にS原君が言ったように、
そりゃクラプトンやベックやジミヘンなんかに比べたら下手かも知れないが、
ビートルズには必要不可欠なギタリスト、音楽家だったんだな、ジョージは。
だいたいポールやジョンが、魅力のない凡人と何年も一緒にいるはずがないもの。
今一度、いつも傍らに置いてあるギターで”Let It Be”のソロを弾いてみた。
いやぁ、ジーンと来るわ (T T)
S原君、ジョージに謝りなさい。