偉人を聞く Joe Pass

単音による旋律も、伴奏、ベースラインもよく歌っている。
大きな「うねり」と言うか螺旋の中に曲が展開していく感覚。

ほとんどがアドリブだから、その演奏の回ごとに中身が違う。
つまり曲の進行は同じでも、コードの音構成が違うし。
フィルインの旋律が違う。ベースのラインも同じではない。
時々猛烈に早い旋律を突っ込んでくる。

ジョー・パスが超絶技巧のギタリストであることは間違いない。
「自分はギターを弾かないので分からないが」ってな評を見たことがあるが、
いやいや、ギターを弾けなくたって凄い事くらいは分かるだろう。
それが聞き取れないのなら、聞く意味が無いんじゃないか?

俺自身はギターを弾く。中二の冬休みから始めた。
もっばら耳から覚えたから、勉強法は好きなギタリストのコピーだ。
気に入ったギタリストを次から次へとをコピーしたなぁ。

ジャズではグラント・グリーン、ケニー・バレル、ウェス・モンゴメリーetc…。
ギタリストではないけど、チャーリー・パーカーのサックスもコピーした。
彼は俺のジャズの師匠だと思っている。
ジョー・パスもコピーしたかった一人、


コピーはし切れなかったけど、このギター“Ibanez Joe Pass JP20”は持っているよん(^^♪

「したかった」と言うのは、しなかったから。
何故か。
あまりにもやる事が多過ぎるから。
もう大体俺自身の形が出来てきた頃に彼を初めて聞いて、
いや~、この人は凄い人だと感動の嵐だったのだが、
それを真似て自分の中に取り入れてみようと言う力が湧いてこなかった。

まず弦をはじくのはピックではなく全編指。
ベース音入りの伴奏がほぼもれなく入り、合間にフィルイン。
ところどころでランニングベース付きの伴奏もある。
伴奏時のベース音はかなり手がでかくないと抑えられない位置の場合も。

などなど克服すべき条件が重なり過ぎて、
やる時は徹底してやるゼロか100か人間だったはずの俺は、
なんと「50くらい」を選んだのであった。それ程の超絶技巧なのだ。

かくして俺はも難しいところは華麗に避けて、
美味しいとこだけ頂くと言うやり方を選択したのであった (*´罒`*)
こういうことをやっていたのが20代から30代。
それから30年以上が過ぎて、今では専ら聞くだけになったジョー・パス。

若い頃の麻薬禍のせいで彼の初録音は33歳の頃。
メジャーデビューが遅かったのに65歳の若さで亡くなってしまったが、
三十余年の間に残したものは偉大な仕事ばかりだ。
特にPablo Recordsから次々に発表した、ソロギターによるスタンダードの演奏は圧巻。

ほぼ聞く専門になった俺がお勧めしたい1枚はこれ。
モダンジャズの始祖であるチャーリー・パーカーが好んで演奏した曲を、
彼がギター1本で表現しつくした名盤。

Joe Pass ”I Remember Charlie Parker”

youtubeで探すと、彼がヘロイン中毒の治療の為に入院していた
シナノン・ドラッグ・センターの患者仲間と演奏している動画も視聴可能。
当時まだピックで弾いているジョーパスだが、
高い音楽性と、完成の域にあるギターの技術には敬服。
偉人は若くして既に偉人であった。

ちなみにこれを書き始めた月1月12日がジョー・パスの誕生日だった。
俺の連れ合いさんと同じ日だったとは…( ̄∇ ̄)v

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