韓国のテレビ番組には色々な種類のバラエティ企画があるが、
中でも俺が好きなのは「三食ごはん」というシリーズ。
ベテランの域にいる俳優と若手俳優が家族の様に一つの家に寝泊まりし、
日々三度の食事を一緒に作って食べると言うだけの流れなのだが、
これがなかなか奥深くて面白いのだ( ̄皿 ̄)
三食ごはんコチャン編 TVN
この番組が始まったのが2014年の10月で、その時の出演者は、イ・ソジン、オク・テギョン。
しかし俺は、イ・ソジンの仕事らしい事はほとんどしないのに偉そうにしているのが嫌で、
翌年1月から始まったシーズン2のユ・ヘジン、チヤ・スンウォン組の方しか観ていない。
こっちには当初ゲストで参加したソン・ホジュンがレギュラーとなって、
漁村編1、2、5と高敞(コチャン)編が撮影されている。
高敞編では若手俳優のナム・ジュヒョク君がレギュラー出演していた。
漁村編1、2は、韓国から航路で最も時間がかかる漁村の島・晩才島(マンジェド)がロケ地。
漁村編5は、COVID-19の影響から無人島である竹窟島(ジュクグル島)をロケ地に選んでいる。
使い慣れたものが無いのは大変!!
さて、番組の中身なのだが…
飯を作って食べるって言ってもねぇ、
冷蔵庫に食材が何でもあって、ガスレンジがあってとかではない訳よ。
調理するための火は、スイッチオンじゃなくて、炉に火を熾さなきゃならない。
三食ごはん漁村編 TVN
食材にしても、基本的な調味料と米、何種かの野菜が与えられている以外は、
住まいの中庭にある家庭菜園で栽培されている物を利用。
三食ごはん漁村編 TVN
スロウライフは忙しいのだ
「田舎に引っ越して、の~んびり暮らしたい」ってな言葉はよく聞くし、
俺もそんな思いもあって、街場から山奥の限界集落に引っ越した。
でもねぇ、の~んびりできる環境って、
実はなんでも自分でやらなくちゃ前に進まない( ̄皿 ̄)
家庭菜園から食べ物を得ようとしたら、畑作りから種蒔き、
育苗、水やり、草取り…と、やる事はいっぱいある。
彼らは、スタッフが用意してくれた菜園を利用していたが、
それでもスーパーに並んでる野菜を手に入れるのとはわけが違うよね。
三食ごはんコチャン編 TVN
雨が降らなかったら水やりしなきゃ野菜は育たないし、
食べる為には必要なだけ収穫して来て、洗って土を落とすと言う作業もある。
野菜ばっかり食ってる訳にも行かない。
そうなると自ら海に出かけて仕掛けで獲るか、釣るか、
はたまた岩場で貝などを採取しなけりゃならない。
三食ごはん漁村編 TVN
これが、農村地帯でロケを行った高敞(コチャン)編では、
近所の農家の手伝いをして頂いた賃金で、町で買い物をすると言うスタイルに変わったが、
基本的な生活条件は変わっていない。
番組の中で、ユ・ヘジン氏がボソッと言っていた。
「俺達って、ずっと飯の仕度ばかりやってないか?」って。
目覚めたら火を熾しご飯を炊きおかずを作り、食べたら洗い物をし、
ちょっと休んだら一人はキムチ漬け作業をし、もう一人は釣りへ。
朝昼晩、毎日こんな感じの繰り返しなのだ。
そう。スロウライフは、実はすんげー忙しいのだ( ̄∇ ̄)v
農を知り、食の有難さを知る
高敞(コチャン)編のロケが行われたのは、
韓国では穀倉地帯として有名な全羅北道の、
中でも「石を蒔いてもジャガイモが採れる」と言われるくらい豊かな高敞。
そこで彼らは、野菜以外の食材を得る現金を生むために仕事をする。
最初に挑戦したのは、主食である米を作る田植えだった。
三食ごはんコチャン編 TVN
まずは田植え機を使って200坪の田んぼを苗で埋めつくして行く。
でも隙間が出来てしまったり、機械が入れない端っこの方なんかは手で植える。
これがまた、腰に来ちゃって大変。
三食ごはんコチャン編 TVN
田植えが終わって、チヤ・スンウォン氏が言ってた一言には重みがあった。
「これは大変な仕事だ。我々は本当に感謝してお米を頂かなきゃいけない」
他にも彼らは、サツマイモ掘り、ベリー、ブドウ、ナシ、西瓜の収穫を体験していた。
三食ごはんコチャン編 TVN
サツマイモ掘りは、全員腰に来てた( ̄皿 ̄)
真夏の西瓜収穫はしんどそうだったなぁ。
三食ごはんコチャン編 TVN
雨上がりでぬかる畑の中、46歳のユ・ヘジン氏、22歳のナム・ジュヒョク君、
共に汗だく、ヘロヘロ、ボロボロw
田植えでクタクタになった日の夜は、稼いだお金で肉を買ってサムギョブサル!!
でも米を炊いたり、包み菜を準備したりは、疲れていても自分達でやらなきゃね。
三食ごはんコチャン編 TVN
この時はホント美味そうに食ってたなぁ。
農というものに関わっての充実感、満足感があったんだろうな。
俺もそうだったけど、農作業ってホントやってみないと分からないよ。
仕事としてこのロケに臨んだ彼らだけど、きっといい体験ができたはずだ。
無ければ生み出す!!
このシリーズで、ずっと調理の担当をしていたのは、
普段家庭でも料理や家事をこなしているというチヤ・スンウォン氏だった。
彼の手際の良さ、感覚の鋭さから、料理好きの俺は沢山学ばせてもらった。
さらに驚いたのは、レパートリーの多さ。
中でも、スジェビというすいとんや、カルグクスの麺のみならず、
手仕事で練り、発酵から成形までやって、かまどを使って焼く食パン、
三食ごはん漁村編 TVN
島で採れた海産物を使ってのシーフードピザには感動してしまった。
三食ごはん漁村編 TVN
「無ければ買う」ではなく、「無ければ自分で作る」の考え方。
ちなみにこのかまども、隙間があって上手く焼けない状態だったんだけど、
ユ・ヘジン氏が、練った小麦粉で隙間を埋めて補修。御見事!!\(^o^)/
そういった暮らしに必要な設備の担当はユ・ヘジン氏で、
彼は、キャットタワーや、田んぼの除草をしてくれるアヒルの為の家、
自分が連れてきた愛犬の為に、夏用の風通しの良い犬小屋も作っていた。
スロウライフは、一日の中身が実に濃い( ̄ー ̄)
にしても随分腕のいい大工だなぁ、この人、と思っていたら、
高校生の頃から参加していた劇団で大道具製作も担当していて、
その時に、大工仕事の基本的な事を覚えてしまったのだとか。
人生やっといて無駄な事はないね( ̄∇ ̄)v
さて、無ければ生み出す彼らでも、食材が無い時はどうしようもない。
ありもので何とかしのぐ。
物があふれていて、金さえあれば何でも買える今の時代、そういう考え方は大切だよね。
三食ごはん漁村編 TVN
ということで、飼ってる鶏が産んだ卵で作った卵焼きと、
シレギと言う大根の干し菜で作った味噌汁、お焦げスープにキムチと言う、
ありもので用意した、実にシンプルな食卓。
俺はこの番組で、韓国の食文化の素晴らしさもさることながら、
物を作り出すことの大切さを再確認させてもらったよ。
特に、「農」が無くては人は食べて行く事が出来ないという現実や、
命を育む自然環境の重要性を改めて思い知らされた。
このまま経済活動主体で進み続けたら、人類は確実に滅びてしまうだろう。
これからも日々三食、美味しいご飯を食べたかったら、
俺達一人一人が生き方をしっかり考えないと、マジでヤバいでぇ!!