見どころ盛り沢山だった「山向こうの南村には」

いや、まずさぁ、週一の1時間ドラマが4年4ヶ月も続くと言うのが凄いでしょう。
日本の水戸黄門とかとは違って、ホームドラマだからね。
韓国のドラマシャンルでは「田園ドラマ」と呼ばれていて、
忠清南道礼山郡大興面が舞台になった、農村の生活を描いたドラマだった。

出会いは偶然だった
実は俺が初めて見始めたのは途中からでねぇ、
その頃韓国ドラマが見たくて「光テレビ」ってのに繋いでて、
テレビをつけたら、たまたまやってたのがこのドラマだった。
それも全211回の放送の内の、190話目くらいから見始めたんだったかなぁ。

ドラマとしては最終盤にかかっていて、
それまでの流れなんか全く分からなかったんだけど惹きこまれて、
特に主人公と思しき役場職員の青年と、
村に唯一ある保健所の女性医師との恋愛がもどかしくて可愛らしくてねぇ(^^

KBSドラマチャンネル
そんな感じで最終回まで楽しく観終わって、その後光TVもやめちゃってさ。
ところがある時、ふと、また観たくなってしまって、
DVDを探したけども販売されていないし、youtubeで検索をしてみた。
そしたら、KBSドラマチャンネルで、
字幕は無いものの第一話から観る事が出来そうな動画を発見♪

実は第一印象とは全く違うドラマだった
ちょっとググったら、ドラマの始まった日が分かったので、
ハングルでタイトルと日付を入れて検索。
そしたら、2007年に始まった第一回目が見つかった(^^♪

KBSドラマチャンネル
第一話は、「ソウルよ、さらば!」と言うタイトル。
離婚して三人の子と共に田舎で新規就農を目指す主人公の中年男性ナ・ジンソク氏（イ・ジヌ）が、
目的地の農村に向かって引っ越しトラックを走らせるところから始まったのだった。

このドラマのスタート時は、新規就農したナ氏と子らの苦労、
ナ氏が間借りしてる家の世話好きな大家のおばさんとの関わり、
未亡人である宗家の長女とナ氏の関わりなど、ナ氏家族を中心に、
大家族である宗家の一人一人に起こる出来事も交えて描いていたのよ。
※宗家とは、日本で言えば本家に当たるが、このドラマでは村で代々味噌作りをしてきた
　老舗として、また家主のお婆さんは、村の重鎮として描かれている。

次々と消えて行く人達
ところが、まぁこれはドラマの流れだから仕方ないんだろうけど…
と言うか、出演者のスケジュールの都合もあったりするんだろうね。
なにしろスパンの長いドラマだからさ。
出演者が一人、また一人と消えて行くのだ。

まずは宗家の2番目の孫のジョンフィ（カン・ハヌル）。
大学に合格したら、ソウルに行ってしまった。
その後は二度と出て来ない。

学生結婚した宗家の孫ジョンス（キム・ドンウン）の妻ユミ（イ・ウヌ）も、
授かった子を流産してしまった傷心を癒すべくアメリカへ。
これ、実はアメリカにいるイ・ウヌさんの実際のお父さんが病気になってしまい、
介護をするために休暇を取った後、介護で心身が疲れてしまい、そのまま降板になったとの事。

まだまだあるんです。
宗家の長男の娘ジョンミ（チョン・ヂョンア）は、
村の保健所の医師と結婚して、海外協力隊でアフリカへ。
主人公ナ氏の長女ヘビョル（ヨ・ミンジュ）は、母親のいるソウルへ。

そしてなんと、スタート時の主人公だったはずのナ氏も、
里長の長男の妻だったけど、夫が亡くなり未亡人となっていた宗家の長女と再婚し、
パプリカ栽培の事業を拡大させるためにソウルへ(￣皿￣)

KBSドラマチャンネル

ナ氏がいなくなっちゃったから、関係のあった大家のおばちゃんもお役御免。
この味のあるおばちゃんを演じていたのは、韓国各地の方言を操るベテラン俳優キム・ジヨンさん。

KBSドラマチャンネル
数々のドラマ・映画に出演して、
主演の力強い補佐的な役割をこなして来た凄腕俳優のジョンさんは、
2017年に肺ガンの為に亡くなっている。
大好きな役者さんだった。悲しい。

まぁしかし、4年半も続いた農村を舞台にした長寿ホームドラマで、
視聴率は10～12％を維持したと言うから凄いよね。
やっぱりねぇ、日本とは違って俳優陣が「～アガリ」じゃないちゃんとした俳優なのよ。
だから、ドラマを観ると言うより、南村の皆さんの生活を覗き見ている感じ。
「ホンモノの暮らし」がそこにあったから、視聴者は惹かれ続けたんだと思う。

繰り返しになるけど、逆に長寿だからこそ、俳優さんの途中下車も起きちゃうわけで。
だって仕事をこのドラマ一本に絞ってる訳じゃ無いからね。
他の仕事の方が条件が良くて、スケジュール的にキツかったら、そりゃ降りる人もでるでしょう。

なんと宗家のオモニまでも…
ここまで沢山の人の途中下車を紹介したけど、
視聴者が一番驚いたのは、初回からずっと宗家の長男の妻役を演じていた
人気俳優のヤン・グムソクさんが降りちゃった時じゃないかなぁ。

KBSドラマチャンネル
3年半ずっと見続けていたミョンフィさんが、突然別の人になっちゃったんだもの。

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2011年3月30日までヤン・グムソクさん→4月6日からイ・グムジュさん

俺の場合は、最初にこのドラマに出会った時は、もうイ・グムジュさんに変わった後だったから、
改めて1話から観始めた時に初めて、
あぁ～、元々はヤン・グムソクさんが演じてたのかぁ!!って驚いたんだけど。
この交代劇は、ヤン・グムソクさんの個人的な理由だったそうだ。

グムソクさんが演じる宗家長男の妻は、姑にもハッキリものを言い、
優しい旦那さんを力強く励ましながら、時には家族を叱咤し引っ張る、
所謂「肝っ玉母さん」的な役処だったのよね。

一方、交代したグムジュさんは、姑に気を遣い、家族には優しく、
どちらかと言えばおっとりした、涙もろいお母さん。
あえてグムソクさんの色を引き継がなかったのかな。
でも息子ジョンスと女性医師の恋愛問題で揺れるお母さんの感じとしては、
グムジュさんの方が似合っていたかもしれないなぁ(￣∇￣)v

ビックリ企画もありました
ところで、このドラマの脚本は、3人の脚本家によって書かれているんだけど、
2011年の2月9日放送分から、
なんと番組ホームページの素材公募掲示板に視聴者から投稿されたネタを基に、
ドラマ制作が行われるようになったのだ。

KBSドラマチャンネル
これがその番組冒頭での案内。