メリハリの加奈崎さん

えーっ、今日で75歳になるののか。
じゃあ、あのライヴの時は34歳だったんだな。
いや、俺がライヴハウスの雇われマスターやってた時、
フォーク好きのオーナーが出演依頼して、来て頂いたのよね。

加奈崎さんというのは、知ってる人は知ってると思うけど、
北海道出身のフォーク、ロックの歌い手で、
1970年代に活躍していた「古井戸」というフォークデュオの一人。
もう一人は後に清志郎と組む仲井戸麗市。

ライヴがあった日。
演奏旅行中の加奈崎さんを迎えに相方でチーフコックの大ちゃんの車で駅に向かった。
古井戸は全国区で売れた「さなえちゃん」もあったから、
加奈崎さん、さぞかし「スターでござい」な感じで現れるかと思ったら、
そんなことは全然なくて、
一人でギターとショルダーバッグを下げて現れた。
そして、こちらに対して腰が低すぎるくらい低い人だった。

40年も前にお会いしたきりなので、今はどうなられてるかなぁと
youtubeで動画を探したらすぐに見つかった。
けどそれは1991年のコンサートの時の動画。

雰囲気全然違う。
もっと普通の、昔の長髪の青年て感じだった。

そう。このジャケットの右側が加奈埼さん。
これに口ひげを生やしたのが当時の姿だったな。

歌は覚えてる。
俺達に対する穏やかで腰の低い感じとは打って変わって、
リハーサルから気合が入り、
音響も担当者と丁々発止のやり取りで、音質や響き方の確認に余念がない。
但し言葉遣いや物腰はあくまで柔らかく。
そして始まった本番は、ゴリゴリと力強い歌とギターだった。
やっぱりプロはすげーなーと思ったよ。メリハリよ、メリハリ。

その少し後だったなぁ。
加奈崎さんと同じ北海道出身の、I・Sと言うシンガーソングライターを呼んだ。
その人も全国規模で3年位前にヒット曲を出していた、
北海道出身と言うより、「北海道の」フォーク歌手って言った方がいいな。

その時もこちらは相方の車で駅まで迎えに出た。
そしたらその人はマネージャー付き。
ウチのライヴハウスで呼んだ人達の中では初だったな。

ほんでもってI・Sさんはすっかりスター気取りでさ。
後部座席でふんぞり返り気味で、
加奈崎さんとは全く違って、馴れ馴れしい口の利き方。
あぁ、こういう人は長くは持たないだろうなぁと思ったら案の定…。
まぁ、今でも歌ってはいるようだけど。

加奈崎さんの2023年の動画もあった。バリバリ元気に歌っている。
年齢を感じさせない張りもキレもある。あの時の様に力強い。
そして周囲のスタッフなんかには今も優しく接してるんだろうな。
メリハリだよな。メリハリ ( ̄∇ ̄)v

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