東大門の八宝団子って???

韓国には残念ながらまだ行ったことがないので、
街の雰囲気を知る手段は、もっぱら韓国ドラマや映画、
それと色々あるドキュメンタリー番組から。

ソウルには南大門と東大門に市場があるけど、
南大門は庶民的で、東大門はファッション関係の店が多いと言う印象。
最初に東大門市場の雰囲気を知ったのが、
2000年のドラマ「秘密」だったせいもあるかもしれないな。
主人公が東大門市場でブティックを開いてたんだよね。

その東大門市場には、今は東大門デザインプラザ(DDP)なる近未来的な建物が出来たりして、
二十数年前とはまた随分と違った雰囲気になっているのだろう、
でも変わらないのは、沢山の種類の飲食店が立ち並んでいる事。

2020年1月11日放送の「キム・ヨンチョルの洞内一周」。
ヨンチョル氏がDDPの近くを散策していて、とある中華屋さんの前で立ち止まった。
 
入り口に「ソウルで一番古い中華屋」の文字。
「こういう店ほど是非食べてみたくなります」とヨンチョル氏。
お店の名は、東大門中区にある「東華飯店」。

偶然の再会
早速入店すると、白髪の社長らしき人が近づいてきた。
「いやぁ、お久しぶりです」と握手を交わす。ポカンとするヨンチョル氏。
話を聞くと、「二十数年前にお子さん連れでご夫婦でいらしたのです」との事。

偶然入ったつもりの店。実は不思議な縁があったようだ。

歩いていたら『満員御礼』とあったので…。こういう店って美味いじゃないですか。
ソウルで一番古い中華屋とも書いていたし。
またいらっしゃるとは想像していませんでした。私は中国人で、
この店を始めて52年になります。
会話が弾む。


私は中華の店に入ると太麺の麺料理かジャージャー麺を食べるんですよ。
ジャージャー麺を食べるべきですか?
いいえ!!
会話が途切れる。

実は社長には、ヨンチョル氏に是非食べてもらいたい料理があったのだ。
「私の店にいらしたのですから、新年のお祝いにこれを一度召し上がって下さい」
と、社長が壁に貼られた写真を指差した。

“팔보완자”(pal-bo-wan-ja:八宝団子)

中国では父親の誕生日、結婚式、大切な友人をもてなす時など、
一生のうちに三度ほどはこの料理を食べるのだと言う。
それを聞いたヨンチョル氏。
「とても貴重な料理ですねぇ。あの…ジャージャー麺も下さい(^^;」

八宝団子の作り方
さて、では「八宝団子」とはどんな料理なのか?
まず豚挽肉と卵、澱粉をこねる。

粘りが出てきたら皿を使って丸める。

そして揚げる。

完成~♪\(^o^)/

えーっ?!! ただの肉団子じゃないか!!
いいえ、違います。まだ先があるのです。
この叩いても割れないほど固く揚がった肉団子を…

こうやって上部を切り取って…

丁寧に中身をくり抜いてしまう。器状にしちゃうんだね。
と言う事は、中に何かが入るんだ ( ̄∇ ̄)v

八宝の登場だ
中に入るのは、アワビ、エビ、イカ、ナマコ、イイダコ等、8種類の魚介類。
まずはこれらを野菜と一緒にサッと湯通しする。

そして中華料理でおなじみ。強火での炒めに入る。

餡掛けで仕上げだよ~♪

完成した熱々の「八宝」を「団子」の中へ詰め込んで…

上に皿をのっけて「はっ!!」とひっくり返して…

玉ねきの餡をかけたら、本当の完成~♪\(^o^)/


韓国は私の故郷
登場した「八宝団子」を見て、

「恐竜の卵みたいですね」
と嬉しそうなヨンチョル氏。

中国人は8と言う数字が好きです。この中にも8つの魚介が入っています。
キム先生の今年の全ての仕事は大ヒット!! 幸運の料理ですよ。
と言いながら、料理を切り分けてくれた。中からおいしそうな魚介が…( ̄∇ ̄)v

早速一口。

あぁ、香ばしさの中に、深い魚介の味がします。美味しいです。
とご満悦のヨンチョル氏。

自分の手で料理を作り、お客さんをもてなす事が人生の楽しみだと語る
진장원(jin-jangwögn)社長。
この料理が特別である理由があった。

幼い頃に両親とともに韓国に渡って来た彼は、23歳で店を出せるほどの腕前に。
しかし1960年代の韓国は華僑に対しての視線が厳しかった時代。

結局家族でアメリカに渡り永住権も得たが、満たされることがなく、
彼は再び韓国に戻った。

どう考えてもアメリカは私の暮らす場所ではなかった。
韓国に戻りたかった。韓国こそ私の故郷です。

故郷のような韓国で、
自分の料理で人をもてなす時こそが一番幸せだということを悟り、
ソウルで店を始めたジン社長。
究極のもてなし料理が、この「八宝団子」なのだ。

楽しくなきゃ仕事はやってられませんよ。お客さんに来てもらえるのが本当に嬉しい。
と、中華鍋を振る社長。

いや、ホント、ジン社長がおっしゃる通り、仕事は楽しくやれるものじゃなきゃダメ。
ストレスがたまるような仕事を続けて、命を削るのはバカバカしいよね。
一度っきりの人生なんだからさ。
世の中のみんなが楽しくやれる仕事に就ければいいのに。

そして楽しく働くジン社長は今日もまたきっと、
美味しい八宝団子でお客さん達と福を分かち合ってるんだろうなぁ。。。

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