「キムヨンチョルの洞内一周」2019年の最後の回は、
2018年7月から始まった番組の今までの歩みを振り返ると言う内容だった。
その中で挙げた一つが、
ソウル特別市 廣壮洞(서울특별시 광장동:söultukppyölsi kwagjangdong)で、
年配のご夫婦が営む天然山菜地産健康食品専門店。
この店のご夫妻は、俺も強く印象に残っていた。
キム・ヨンチョル氏が散策したのは2019年5月25日。
そろそろどこかで食事を、と入った食堂だった。
色々ある山菜料理店
笑顔で歓迎してくれたものの、
「私達にはお見せするものなど何も無いんです」と、ご夫婦共に超謙虚。
と、言いながらも旦那さんはそそくさと、何やらいわくあり気な食前茶の支度。
この「ハルニレの木の薬茶」は、漢方では「乳筋皮(유근피:yugunpi)」と言われ、
解毒作用に優れたお茶なのだと言う。
使われている材料は…と旦那さんがざわざ出してきてくれたのは…
乳筋皮、ナツメ、ワシキーコーン、アマドコロ、樹皮。
いやいや旦那さん、見せる物なんかないって、ちゃんとあるじゃないですか。
そうこうしてる間に女将さんは食事の支度をしてくれていた。
ずらりと並んだ山の珍味の食卓。話題は自然と山菜の話になる。
すると旦那さん、今度は自分で採った山菜を披露し始めた。
ヨンチョル氏が食事中なのに、そんなのお構いなし。
他にお客さんがいようと、知ったこっちゃない ( ̄皿 ̄)
こんなのもありますよと出て来るわ出て来るわ ( ̄∇ ̄)v
そしてとうとう自分で撮影した大量の山菜のスライドフィルムまでも!!
見せる物は何もないどころか、
ほぼ旦那さんの趣味と化している山菜採取に関わる品々が次から次へと!!
突っ込む女将さん
これには女将さんもかなり参っているらしく、突っ込みが入り始めた。
フィルムについての説明を始める旦那さん。
「参考資料になるかと思い、記録しておいたのです」
すると女将さんが
「もう、いつもこうなの。うんざり。私が死んだらどうやって暮らすのやら」
旦那さん「えぇ…、私は科学の原則は…」
女将さん「アイゴ~、腹が立って死にそう」
旦那さん「定量化が…」
女将さん「こっちは石ころ一つまで選別して棄ててるのに…」
と、激しい突込みの連続に耐えられなくなった旦那さんがボソッと…
「またぁ、野暮ったい話をするねぇ…」と、気弱に呟いた (^^;
植物専門家の旦那さんと腕のいい女将さんが作る芸術的な山菜の食卓。
「この献立は他の食堂では食べられない食材とおかずですよね」と、
ヨンチョル氏がお二人に話を振ると、
「もうやめようと思うんです。疲れてしまって、もうできません」と女将さん。
「私達の田舎に来てくれたらご馳走しますよ」と言っていたお二人だった。
お二人のその後
さて、その後が気になるヨンチョル氏。
「あれから7~8か月経っていますが、本当にやめてしまったんでしょうか」
と、再び訪れたあのお店は、今風の別の食堂になっていた。
では、あの見事な夫婦漫才風の掛け合いを見せてくれたお二人は何処へ?
あのご夫婦は、故郷の忠清北道・報恩郡(보은군:poungun)に戻っていた。
商売から離れて、静かな故郷で畑をやりながら暮らしているという。
几帳面にメジャーで畝の寸法を測り、「畝の基本はこのくらいだな」という旦那さんに
「そんなの適当にやりゃいいのよ。もう、イライラする」と女将さん。
あの夫婦漫才は健在であった\(^o^)/
放送されてからそれまでに増して大繁盛になり、やめるかどうか迷ったが、
お金の問題ではないなと、お客さんには申し訳なかったが閉店したと語る旦那さん。
故郷に戻ると、二人の平和な時間があった。
これからは自分たちの為に用意する食卓だ。
この取材に行ったのはスタッフのみ。
最後に女将さんから、来られなかったヨンチョル氏に向けての一言があった。
ヨンチョルさんがいらしたら、テンジャンチゲでも作って差し上げたいです。
以前に用意できなかったのが残念で。春にになったら一度いらしてください。
さてさて、その後ヨンチョル氏は、お二人を訪ねて行ったのだろうか?
俺は女将さんの料理は味わえないけど、あのキッツイ突っ込みをまた聞きたいなぁ。
再びの登場を願いながら、「洞内一周」を見続けよ~っと( ̄∇ ̄)v