売れりゃあいいってもんじゃない!! ”TRICYCLE”

兄がギターを弾いていた影響で8歳からギターを弾き出し、
母親が開業医という恵まれた環境だったので、機材もプロ顔負けのものを揃えていたらしい。
天才ギタリストCharの話。

12歳でワウペダルを使いこなし、16歳でスタジオミュージシャンのバイトをやって、
なんと教則テープ用にエリック。クラプトンのフレーズを弾いてたんだって。
当時スタジオミュージシャンと言えばジャズ系の人が多くて、
ロックギター特有の歪んだ音がエンジニアに理解されずに往生したとか( ̄皿 ̄)

17歳で、あの下北沢のジャニスと言われた金子マリを組んだりしながら、
21歳でプロデビューし、衝撃的なアルバム「Char」を発表。

その後ロックでメジャーになってみる!!とラジオで宣言し、変な路線へww

その後再びアングラに戻って、故ジョニー吉長、ルイズルイス加部と
「JOHNNY, LOUIS & CHAR」を結成。
1980年に発表されたのが、この「TRICYCLE」だ。

テレビに出てメジャーになった音楽が全てだと考えている残念な連中は、
「あのcharはどこに行ったんでしょう?」なんて言って笑ってただろうが、
遊びから足を洗って進化し続けていたのだよ( ̄ー ̄)

このアルバムは、チャーのギターが中心になっている事は言うまでもないが、
脇を固めるジョニー吉長のドラムス、ルイズルイス加部のベースも聞きどころだ。
けども、ここではチャーのギターの事を書くからね( ̄∇ ̄)v

このアルバムには、アコギを使ったフォーク調で始まる曲や、ハードロックテイストな曲、
ちょっとシュールなタイプのロックなど様々なタイプの曲とギターサウンドが収められているが、
俺が大好きなのは、トリオによるストレートなサウンドのインスト系3曲と、
3人の分厚いコーラスと、チャーのワウを使った語る様なギターソロが効ける”Cloudy Sky
“だ。


ベンチャーズから入って、ジェフ・ベック、ジミ・ヘンドリックスの影響を…
なんてことがチャーのプロフィールには書かれているけど、
他の曲でのギターもそうだし、3曲のインスト系も、完全にチャーのサウンド。

よくあるロックギタリストが引くインスト物とも、フュージョン系のそれとも違う、
チャーの愛器、フェンダームスタングが奏でる独特な世界。
インスト系って書いたのは、全くのインストじゃなくて、ボーカルもちよっと入ってるから。
その感じがまたいい。歌でもなく、インストでもない曲。
シャレオツ(v゚ー゚)ハ(゚▽゚v)

“Balcony”では、かつてバンドのメンバーであった金子マリのボーカルも聞ける。
ちなみに金子マリとジョニー吉長はこの当時夫婦であった。
ドラマーで俳優の金子信昭は二人の息子。信昭の弟はベーシスト。

さて、そして圧巻は”Cloudy Sky”。
ブルース好きの俺だから、こういう曲調に参っちゃうってとこもある。
いきなりイントロ無しで三声のコーラスから入るところがまた渋い。グッとくる。
サビでのジョニーの歌がまたいいねぇ~。野太い声が心に刺さる。

そしていよいよチャーのギターによる語りだ。
強弱のつけ方、ワウのかけ方、フレージング、構成、もう全てが完璧。
これはアドリブじゃなくて、録音前に練ったんだろうと言うヤツもいるが、
練ったからっておめーはこういう風に弾けるのか? って言うくらい凄いし、
そいつは口だけで、絶対に弾けないはずだ。弾けてたまるか!! 😀 

ここで紹介したインスト系3曲と、”Cloudy Sky”を聞くためだけにアルバム買っていいから。
絶対に損はしない。
おまけで他の曲が好きになるかもしれない。
あ、他の方が好みって場合もあるか( ̄皿 ̄)

テレビ大好き日本人は、
「売れたものがいいもの」「売れなきゃ駄作」みたいに洗脳されてるけどねぇ、
音楽も含めてアートってものは、そんなのとは別な次元にあるからさ。
むしろ売れなかったものの中の方にいいものがある。
日本人の9割以上が知らないものの中に、本物はあるのだ!!

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