初体験・ぶらりローカル列車と路線バスの旅・その4

バス停に着いたが、バスが来るまでにはまだ10分ほどある。近くにコンビニがあったのを思い出し、コーヒーを買いに向かった。バスには缶コーヒーを置くホルダーなんかなかったから、フタつきの方がいいだろうと、BOSSのブラックのボトルを購入。そして数分後にはバスに揺られ…。

リラックスしてリフレッシュするつもりで飛び出してきたのだが、やはり先行きのハッキリしない行き当たりばったりの旅に精神的に疲れ、そして連日の長距離ウォークで相当参っていたのだろう。「ドン!!」と言う音で目が覚めた。そう。いつのまにか寝入っていたのだった。ドンと言う音は寝入って脱力した俺の手から滑り落ちた缶コーヒーの音。右手に持っていた整理券も床に落ちていた。

このままだとまたやりそうなので、コーヒーは革ジャンのポケットに入れることにした。再び寝入って、ハッと気が付くと整理券がない。また床の上に落ちていた。一体どれだけ疲れているのだろう。しかし流石にこの段階でスッキリと目が覚め、それからは厚沢部の友人に昨夜のお詫びのメールを送ったり、車窓の風景を楽しみながら函館へ。

厚沢部からのバスは、国道五号線を通って函館駅前に行くものだと思っていたが、このバスは産業道路を通り、亀田支所前を経由するという。親の家に帰るには亀田支所で降りた方が断然いい。厚沢部から亀田支所まで1680円也。ってことは1万円ちょっとあったら、俄虫温泉バス旅行が可能だってことだ。30分歩かなくちゃならないけれど。

というわけで、とりあえずは無事に函館へ戻ってきたわけであるが、今回の旅を経験してつくづく感じたのは、俺は寅さんにはなれないということだ。寅さんだったら、きっと時間潰しで入った喫茶店でママさんや他のお客さんを巻き込んで与太話で盛り上がり、気の合ったお客さんから「ところであんた、これからどっちへ行くの」とか聞かれ、誰かに「それなら俺の車で送ってやるよ」みたいに言われるはずだ。

旅館では女将さんに役場の隣で開かれる勉強会のことを話して、「あら~、だったらうちの車で送ってあげますよ」なんて言われるに違いない。俺には寅さんみたいな人懐っこさがないもんなぁ。気難しい偏屈オヤジだもの。

などと愚痴ってはいるが、こんな風に日記のネタになっているのだから、それなりに内容盛り沢山の旅であったことは間違いないだろう。そして、いつかまた一人旅をする機会ができたら、その時はもう少し肩の力を抜いて風に吹かれることが出来るのではなかろうか。そこまでのステップを踏めただけでも大収穫、と納得しておこう。

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